残骸/蒼木りん
 
引き込まれたい世界に恵まれない
速足で心を奪う出来事は
私の意味を残せない

四角く囲われた夢の端が
風に飛ばされて手もとどかず
追うことも出来ないまま

虚無の胸を埋められない
24時間の一秒も

私はいつのときも
散り塵の残骸

そう
誰の邪魔にもなりたくはないのさ


まずは
やってみなければわからないから
その後の反省と改善
ものの言い方
互いの意識の相違点

君と
焦ることなく
飾ることなく
二分の一の速さで
頁を捲れたら

微笑みが残された救い
それは
私の
君との
僅かなつながり

残骸の中にも
いくつかの
きれいな光みつけられる
君の好意の手に触れるだけが

そうだ

気体のように
何れ消えてしまうものでもいい


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