たとえそれが不本意であっても/和泉 誠
 
どれだけ君が愛を囁いても
きっと僕には無理なんだ

君の事を疑ってしまうよ
信じられなくなってしまうよ
きっと今まで辛い事があんまりにも多すぎたから

やさしい君でも
いつかは与える事に疲れてしまうだろう
何か一つでも
君に与えられるものがあればいいんだけれど
僕にはそんな素敵なものなんて一つもなくて

きっとこれから
どこへ行っても誰と出会っても
やっぱりこの先へは進めないんだ
君と会う前から気付いていた事なんだ

お前と一緒にいると幸せになれる気がしない
きっとそう言われてしまうから

だったら
僕は芸術家になろう
お酒を飲んでも安らぎは得られない
冷蔵庫を漁っても安らぎは見つからない

たった一つ
自分の夢の中にだけしか
安らぎと呼べるものがなかったと言うのなら
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