もしも/和泉 誠
 
もしもあなたの優しさの正体が
親切や同情や哀れみの類ならば
今の僕にはそんなもの
食後のデザートほどの価値しかないんだ

あなたと出会ってから随分インフレが進んだ
それはもう、驚くほどに

生活が豊かになって
本当に大切なものは何かを探している時に
あなたは「こっちよ」と道を示した
僕は素直にそれを信じた

その時のあなたに悪意がないことは
僕も十分承知
きっと計算ミスなんじゃないかな?
ケアレスミスというやつ

今はただあなたの返事を待つばかり
僕の心はあなたを信じろと
まだしつこく叫んでる
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