さようなら/ネジ
 

冬のからだ
小さく抱く


獣の声だけがあたたかく
肩を掴む掌はいつもそう

爪の痕だけが愛しく
次の朝には凍えてた



あなたが
流れていく



いつか狂い合える時には
せめて先に軋み始めたい

ほらこんな風に聞こえればいい
悲しみを忘れた胸など要らない



冬のからだ
抱きながら

溺れてしまうよ
あなたが

そして

つめたく つめたく

降り積もる腐敗に
耳を傾けています

凍えてしまった
わたしは



わたしやあなたは

間の悪いうつくしさにあどけなく

ただ微笑んでいるしかない


戻る   Point(1)