バーバ子、海へ行く/バーバ子
 
さぶらうわあたしさぶらうわもっと、ねえ
あなととわたし
融和ね
波しぶきと太陽のあいだで
あらあね
鼻が
もげそうだわね
口の上がいろいろふべんだわね
鼻のまわりが狐狸狐狸だあね
ぺんぺんの双子の鼻もってぎでどうすんだ、おめえ裸であら、
ぼっけえわね、あなたの性器。
ぷりぷりの蟹みたいな目エしてなによ
おかわりはいらないわよ
これから波と太陽に揉まれるんだから
融和ね
それはなに
首につけるものなの
首につけて喜ぶものなの
そう
あたしね、さぶらうわ、もっともっとさぶらうわ
きょうは海、
明日は砂粒だわよ
ほらそんな蟹みたいな目、
湯掻いてもうぴしぴしはねるわ
イキがいいのね
トビウオのようになってよ
ぱちぱち雲のなかで光になって
また鼻がもげそうだわね、
口ふやけてわたし、あわびのやうに笑うわ
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