鸚鵡のバラッド/狸亭
モラル
何から何まであの頃そっくりの筋立て
邪魔になる弁護士異論者は牢獄に押し込める
貧者の核兵器サリン撒いたのはそも何者
鸚鵡は笑う知ったことかと。ああイヨマンテ
熊祭り。忘れられた原始の火燃える荒れ野。
深い眼底にチベットの澄み切った空を映して
青い色した狂気は夥しい虚構に病み疲れて
賽の河原に積まれてゆき果てもなく膨れ上がる。
先進文明の黄色い大国は鸚鵡を生んで大慌て
権力闘争が始まった。世紀末大カーニバル。
全メディヤは相も変わらず一斉に騒ぎたて
撃ちてし止まん。大帝の下血。日の丸。
阪神大震災。オウム毒ガス製造。杳として
捕まらぬ犯人。巨大虚業ますます儲かる。
(押韻定型詩の試み 43)
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