24時間後/あまくちペルノ
 
朝起きて隣を見てみると
やっぱり君はいなかった

いるとも思っていなかったけど

フライパンを火にかけてオリーブオイルとバター
電子レンジでミルクはホットで
あたたまったフライパンに落とした溶き卵は
じゅう、と音をたてて踊り始め
ほら、みて、もうすぐ焼けるよ
そんなことさえいちいちと
報告したくて君を大声で呼んでいた

いつかは蕎麦の茹で加減が分からないなんて
君の事 蕎麦名人 だなんておだてておどけて
あったかい年越し蕎麦を食べて
退屈なテレビにけらけら けらけら
笑っていた大晦日だったね

その日繋いだ手が最後になった
知られずに愛に悩んだ君
初詣にふ
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