現実と奇妙にねじれた空間/石川和広
朝だからね
力入らないけど
別れ話したのだ
昨日から
私小説に近い
ほんまに
なのにちがう
本当に色々
話したんだ
すわって
ねて
パン食べて
いってらっしゃい
まあね
中身はな
やはり
じんわり
ぼくのこと
嫌いなんじゃなくて
ぼくが彼女を愛せていないんだな
なぞはない
そんな
長い
短い
話があって
まだ希望はあるのか
ぼくは
さようならを
いわないでいる
だって
また
新しいことが
あるかもしれないから
悲しいんじゃなく
書きたいのだ
書きたいのだ
とぶ
だるくない
さわやかでもない
寂しい
なんて
ああ
現実に
ああ
ちがうかもしれない
現実と奇妙にねじれた空間
おかえりなさい
いえるよな
すっきりしない視界
いま
現実
かな
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