約束という思い出/和泉 誠
だね
うれしくなった彼女は僕の目の前に次々と
僕の好物を並べていく
ああ、今すぐにでもその場で君の全部を食べてしまいたかったよ
腹ペコの魔法使い
裏切り者の睡魔のせいにして
僕は彼女を追い払う
朝がやって来たのは 思っていたよりずっと遅くて
一体自分が何を待っているのか忘れてしまっていた
最後にみんなで撮った記念写真
やさしい微笑みのななめ後ろ
作り笑いを浮かべた魔法使い
「約束だよ いつかまた会おうね」
やさしい微笑みと 素直にうなづく事ができない僕
別れ際 彼女は自分の大事なノートに
僕の名前を刻ませた
もしいつかこの刻んだ名前を見つける事ができたら
そのときは・・・
曖昧にはにかむ僕と 君の瞳
いつまでも いつまでも
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