白い花/羽音-fine-
生命線を辿って
所々にある白い花
ひとつひとつ摘み取って
歩くことに疲れて
裸足のまま駆けてみる
何かに追い越された気がして
前の背中を見つめていた
花踏み潰して追いかけた
離れてゆく時間
縮まらない距離
いつも時間は
ボクを置いてゆく
短縮された歩くはずの道
大切な何かを確かめもせずに
先行く未来を追い求めては
気づかぬ現在(イマ)を通り過ぎてゆく
いつも気づけば還らぬ時間を
見つけられない白い花達を
離れないままついてくる影に
尋ねてみては記憶に刻む
皮が擦り切れ血塗れた裸足
足跡だけでも残せばよかった
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