路上の風/
 
凍った地面で
ハンドルを誤って
突っ立っているだけの電柱にぶつかり

運良く傷一つ無かったのに
進み方を 踏み込むべき場所を
忘れてしまったので
仕方なく
クラクションを鳴らし続けています


おかしくなりそうな夕焼けに
壊れてしまった標識が映し出されて

北風を背中に受けて歩く人たちが
震えている
その本当の理由は
理解できない事故に怯えているから 


少なくともこの目には
そう映るのです


雪は積もることなく
車内は暖かく
うるさい悲鳴は鳴り続け
何をするでもなく

それでもこの風が
少しずつ時間を押し流し
この体は
前へ 前へ
運ばれて行くようです

今日を確かに
過ごしたことの その記録として


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