僕は只空を見上げる/
りぃ
車のヘッドライトが眩しく目を細めた
もう行かなくては、凍え死んでしまう
冷たい空気を吸いこむと
雪がぱらついてきた
もたれかかった壁も冷たく
空には星もない
待ち人来ず
ゆっくりと踏み出そうとした足が
自分の意思に反して動いてくれない
今頃君は
小さなBARで
ピアノを弾いてる
まるで聞こえてくるようだ、と思って
馬鹿馬鹿しくなった
君の声さえ聞こえないのに
―あと、10分だけ待ってみようか。
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