手紙を待つ人/
和泉 誠
ポストの小窓に手をかけるたびに
世界が凍り付きそうだ
その瞬間 世界中の時計が止まって
僕の胸の奥だけが
熱く熱くとても熱く膨らんでいって
ふぅーーー
空気が抜けていく 時計は動き出す
ポストの中はまだ空っぽだった
安堵と共に軽い落胆
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