故郷へ帰る/初代ドリンク嬢
 

小さな町が現れる
代わり映えのしない町
山の色だけが
季節ごとに変わる確かに変わる
それでも
山はそこにある

20歳になったばかりの姪が
駆け落ちをした
遠い遠いところへ行ってしまった
彼女はこの町が嫌だと言った
「あなたが幸せになれるのならそれでいいと思う」

私には帰るべき場所ではないけれど
故郷へ帰る
この道中が好き

長い長い
いくつもいくつも
トンネルを越えて

山の中へ
帰る




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