文蚊論/ベンジャミン
「虫」に「文」と書いて「蚊」
と、言われても
今ひとつ得心のいかないわたしは
たとえば
ぶーん、と飛んでいるから
「蚊」と書くのだろうか?とか
飛んでいる奴をつかまえようとする様が
宙に文を書いているように見えるから
「蚊」と書くのだろうか?とか
考えてみたとか、みないとか
わたし以前にもそんなことを考えた者が
いたとか、いないとか?
そんなことよりも重要であるのは
「蚊」とはつまり
人から血を吸い取って生きている
という、事実なのである
これは文化というものを考えるにあたり
極めて重要な視点であり
それは
文化とはつまり
好むと好まざるとに
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