ダイヤモンド/和泉 誠
生まれてこの方
一度も女の子に相手にされた事のない
卑しい男
不憫に思った神様は ある日言いました
「一日だけ世界中の異性の好意を独占させてやろう
その中から一人 お前の生涯の伴侶を選ぶといい
ただし その一日 その一人だけだ
それ以降 お前にチャンスが訪れることは二度とない」
突然男に春が訪れる
男を散々馬鹿にしてきた娼婦達
男の顔を見るとサッと頬を赤らめ
バカ丁寧な言葉で言い寄ってくる
お前らなんかのはずがないだろう
男が三度も告白した気の強い村の娘
男の顔を見るとモジモジしだして
潤んだ瞳で見つめてくる
お前なんかくたびれた村の小娘だ
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(0)