crimson darkness/あめ
凡てを抱き締めたはずのこの腕
気が付けばももいろの
ワンピースだけがゆらり
、揺らめいて
ただそれだけ。
理由なぞとうに理解って居て
とろり柔らかな温度と 共にまた
あのくらやみの中融けて
、往ってしまって
(噛み締めたわたしの唇のかたち
確かめる程の白さも此処にはどうしようも無く失われて居て)
遠く見つめたそのさきで
裂けた隙間がわたしを嘲笑った
あざ笑った、様に見えたので
(そう其れはただここに居てはいけないと云う
ただここにいてはいけないという
ただ其れだけのひめいでしか無かったと云うのに)
脳内
に
ずるり叩きつけるみたいな
耳障りな声と唇 と黒いめ
(ただ此処に居てはいけない、のだと)
(ひめいでしか無かったと云うのに)
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