母からの手紙/ポン太
 
楽しいものだった。私は、久しぶりに心から笑った。夜中には、死んだ彼を思い出したけれど、あとの時間は楽しく過ごした。いつもは車でしか移動しない私が、よく散歩をし、歩いた。一人の時もあれば、祖母と一緒の時もあった。
 私は、少しずつ少しずつ、何かを補充していった。

 五日目の晩、祖母は唐突に、大きな茶封筒を差し出した。しわくちゃだった。私は、何だろう?と思いながら受け取り、表紙を見た。
 『絹江様からの手紙』
祖母の震えるような文字で、書かれていた。「絹江」とは、私の母である。 私は、茶封筒を覗いてみた。

 手紙、葉書き、全部合わせると百通以上ありそうだということは、その厚さから見て
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