段ボール箱のやさしさ/あめ
広い段ボール箱を用意して
ひとり
その中へ閉じこもってみた今日の朝
茶色い段ボール箱 から見る
世界は少しやさしい とげを
わたしにそぅっとそぅっと
抜けない様に 突き刺してくれます
(こうしているから つみぶかいわたし)
段ボールを撫ぜながらささやいたわたし
の
こえは なぜか
わたしではないように、聞こえたの
でした
どうしてかなかなか
段ボール箱 は、わたしを
主人とはみとめて くれないようで
やさしいとげはどんどんと
なみだのよう やさしくて
(わたしがきえたら、さみしいくせに)
わたしではな
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