ねじれていたい/石川和広
 
消えたイメージ

もうそこには
いられない
あたたかい
わたしたちの胸には
消え残る
スケープ
展望の
ささやかな
望みだけがある
のだろうか?

白鳥が舞う
山の端を
そして
悲しい
悲しさは
禁じられようとしている

そして貧しさは
笑われる
電脳の
首相の
次官の
時間の薄笑い

公園の
ブランコの向こうから
牛乳が運ばれてくる
みんな
どうしているの
誰?
誰?
誰?
手をかざしている
天皇の
悲しみの
届かない
爆撃
そして
料金不払いの
冷え冷えとした空間
雲っている
わたしたちは
手を
しどけ
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