未完成の歌/便乗鴎
 
夜行性の言葉が羽ばたいていた
子どもだけがそれをじっとみていた
凍えた空に花が貼りついた
月は存在が伝言だった



震えた縫い針の鉄橋が
銀河のデゴイチの受け入れを許可した
暖かい風はあつい心臓から
ぬくい、冷たいハープが嘶いた



嗚呼、本当に救われるのは労働に心酔した厳しい歩行者か
気楽なバイク乗りは愛の夏に飛び込んだ
/今もまだ青空の肖像画に貼りついていた



水銀はいつでもずっと美しかった
風邪と吐血が
今一度そう話してくれた

未完成の歌だけが机に抛られ
部屋の中はいつでも空っぽだった


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