この世に悲劇よなくなれ/炭本 樹宏
夜の帳がおりて
心しずかな人達がねむりの世界に沈んでいく
荒波に翻弄される小船のように
毎日がてんてこまい
夜空では輝く星が僕たちを静かに見守っている
遠い異国の地では争いの日々が幼いこどもたちの
夢を奪っていっている
なんの力のない僕は朝の太陽にお祈りをする
この世に悲劇がなくなるこはないのかな
僕の望みはこの世に一人の悲劇さえない世界
この世は魂の道場だと母は言う
幸せは気まぐれに僕たちの前をとおりすぎ
あとは厳冬の日々に埋没していくのだ
日々変わる僕達の心模様
贅沢はいわない
突然舞い降りてくる
安らぎがくることを心の糧にして
不自由な日々だけど、
四季のなかで麗しい季節の風に吹かれて
ちっぽけな幸せが訪れてくれますように
この世の悲劇よなくなれ!
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