ろみじゅり/田代深子
は指どうし
軽やかにからまりあい
ときにきつくしめあう
いつかある晴れた日に
その夜の白むころ初霜の降りた朝
ふたりは死んでいた十六と十四の齢に
ほんとうはもうなにもいらなかったのだ
ほかにもうなにもけっして容れまい
もう冬をこらえることもするまい
その先に咲きこぼれる春があっても
もういらない
と
俺などが詩を詠んでいる俺などに
なにがわかるかわかっていたのは
息子がお袋のお人形だったってことと
娘が親父の女だったってことと
おふたりが俺の詩を好いてくれてたこと
おふたかた聴いてください慰み者の
せめてもの
2005.12.4 卒論中に
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