空をいく魚の群れに/LEO
繋いだ手の感触を
消してしまえずに
たとえば、今
この空のあの雲
と 私の指が示しても
あの人にはもう
届かないでしょう
尾とひれのついた
魚の形の 群れが
泳いでいる
波のたたない海を
キラリと変わる
人の形の 魚になって
泳いでいる
うねりのない海を
ふたり泳いだのは
いつの空だったかしら
あとから
あとから
群れは続いて
音もなく行くだけの
どこまで
と 私の問いに
声は聞こえない
形を変えない私は
流れにもつけず
耳鳴りの奥に
潮騒を探してる
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