震える手/Yuno
大きかったり小さかったり
幸せの大きさに嬉しくなったり寂しくなったりする
幸せは口に出さず
寂しさだけ寂しいと言う
それが当たり前で…
たとえば窓の外に雪が降っていて
手をつないだからと言って
その手が必ず暖かいわけじゃないことを
知っているぐらいは大人になった
背伸びして雲をつかもうとした
小さなころの背伸びでは掴もうとしなかった
今になって僕は何故無くしたものを欲しがる
何故と、なんで。
どうして、ねぇ。
どんよりとした黒い雲だと表記して
塗りつぶしたのは僕だ
もう一度だけ手をつなごうよ。
幸せを表現できない僕だから
まるで又意地悪してるみたいに思うだろう
違うとはいわない
笑ってきっと答える。不信そうな君を抱きしめる。
頭をなでる。それからきちんとキスをする。
僕の手に穴があかないうち
愛していると言う。
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