春虫/F (from send-ence)
ある日 僕は気付いちゃったんだ
春は夏の幼虫なんだって
そうそう 梅雨は夏のサナギ
一度気付いちゃうと なんだかもう
大学の授業って出なくてもいいんだって勘違いしちゃった2年前のゴールデンウィークとか
ふと ジャンプすれば向かいのホームまで届くんじゃないかと思っちゃった22時の近鉄京都駅とか
まだまだ目の輝きは失われていない1回生や1年生だらけ 満員電車で髭面の青年と向かい合わせで密着するはめになっちゃった朝とか
たくさんたくさん2人で描いた明日の姿だけじゃなくて 世の中所詮これなのよってな具合でお金まで一緒に引き連れて見えなくなっちゃったあの娘とか
案外愛おしい思えちゃったりするんです
これも陽気にのんきに見る夢の中
夢見ながらも月日がちゃんと育ててくれてる
けど僕はもうそんな時期はとっくに過ぎてしまって
流れに身を任せているだけじゃ どうにもなりゃしない
だから今日もちゃんと授業に出ます
好きで嫌いだ 春虫 夏の幼虫
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