さよなら/りぃ
ずっと捨てられずにいた宝物を
今日捨てに行きます
思い出したくない過去を捨てるのではなく
これから続く道を歩くために
荷物を軽くしなくてはいけないのです
容量の小さな私の鞄には
入りきらない想い出のほんの一欠けらを
そろそろ手放さなくてはなりません
この旅の途中
何度も何度もこの宝物を取り出しては
思い出しては
思いきり泣いてしまったことを
そのことを思い出して
私は今日もこの道を歩きながら
道端に転がった新しい宝物を
探しに行きます
だから
どうか、私のことは
探さないで下さい。
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