ノート/愛
2.
指先から被われる
うすい膜で
いつか身体
捉え、られ
ほんとうの私になる
膜
が
3.
切り取られた空間で
あおぞらはうごめく
酷くきゅうくつでしょう
とうたら
いいえ
の
ひとこと
完璧な拒絶を、みせた
4.
袖から伸びる
小さな手
爪先まで残らずきれいなので
僕にはちょっとしたホラーです
あんまり易しく
触れてくるので
それすら、ねぇ
手のさきに繋がった
なまあたたかいきもちなんて
伝わるはずもなかった
5.
爪先にちいさく傷
なおりかけの哀しさ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)