遠い国の歌/遊羽
 
夜が泣いている時
その言葉は
口にしないで

空に星がない時
無理に上を向いて
その歌を歌わないで

海に船が見えない時
そんなに遠くへ
思いを馳せないで

そのレコードを聴いている時
そんなにたくさん
ため息はつかないで

あの国から来た兵士は
そろそろ外套を探して
この街を出て行こうとしている

星がきれいな時
そんなに理屈っぽく
話さないで

高速道路に車が少ない時
ラジオから聞こえる
メロディを口ずさまないで

故郷を思い出すまで
どうかその歌だけは
歌わないで

遠い国へと流れ
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