きみのかおり。/とびまる。
君は香水を使わない
だけど君には香りがある
君と手をつなぐと
僕の手に君の香りが移る
僕は君を送り届けて
ひとり車で帰るときに
自分の手に君の香りが
残っているのに気づくと
とっても嬉しくなる
ただそれだけなのだけど
いつまでも君の香りが
ここに残っていてくれないかなあ
なんてことを思いながら
さっきまで君としていた
いろんなことたちを思い出す
この手は僕の手でいい?
この瞳は僕の瞳でいい?
この唇は僕の唇でいい?
それを延々と繰り返した
君はそのひとつひとつに
敏感に反応しながら
そうだよ全部そうだよと
こたえてくれた
そうしている間もずっと
君の香りが僕に絡まっていた
この香りは僕の香りなの?
そう聞いたけれど
あたしの香りなんてあるのかな
君はとっても不思議そうだった
でもねすごく甘い香りがするんだよ
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