あらしの夜に/
 

あの人と絡まった
からいからい夜なので

夜色に染まった身体
あたしだって嫌いになるの

絡まってくる

ひりひり、いたいわ

胸で、頭で
はーとがあるのが
かたほうなら
よかった、ねぇ

すばやくわらうから

ひりひり、こすれる

からいからい夜に
世界でいちばん狡賢くなれる
気がして

傷つかないと決めつけた
だれひとり

伸ばした爪
めいっぱいたてる

剥がれる
マニキュア
ひりひり
捲れる
あの人

見える


皮膚って
なんだっけ、ねぇ

傷ついてないみたいに

錯覚

絡まる
絡まる

錯覚

目をあけたら
朝の入り口にたっていたから

あなたなんて、嫌いよ、って

すばやくわらえた

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