そこに詩がありて/みしま
 
そこに詩がありて
そこに詩人があり

詩人とは
勘の見事な女よ

理屈を捏ねる男を好まぬ女よ
罷り通る道は歩かぬ女よ

そっと蓋を開け
そっと元へ戻すなり

その立ちのぼる記憶を頼りに
現実と
目には映らぬものとの融合を
願い望む祈祷師よ

詩の中に距離は無く
此処から
あそこまでがと言う事も無し

唯始まりと終わり

始まりと終わりとを
事静かに見守る
歌の中に生を与えられ
駆け回る自由な放念よ

この詩も
この生をも
終わりを書く事の無き日には
息する事さえ出来ぬのだ

どのような美しき歌も
どのような幻に見えた若さにも

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