Why do I need men more than they need me?/月山一天
あなたに手紙を書こうとして
ペンにインクが無いのです
グルグルしても
何も出て来ないのです
まるで
私たちのように
グルグル回って何も見えないのです
私の手のひらにあるこの金属のカタマリ
音を出すはずのこの物が
最近何も言わないのです
あぁ
そう言えばただゴロッと横たわる
あなたをずっと見ていました
朝仕事に行って
帰って来て
言葉が無いあなたを
強くペンを押すとようやくインクが出てきました
あなたに手紙を書くのです
そして静止する私は思い出す
昨日あなたは
私を必要ないと言った
私の言葉も
私の声も
心も
身体も
この前誰かが
「恋は線香花火の様な物、ボッと燃えてボタっと落ちる」
と言っていた
朝日は今日も灯る
あなた側のベットの
凍るようなシーツの上
消え行く私を感じていた
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