濾過器/アマル・シャタカ
「世間」と言う濾過器を使うと
見えてくるのは 他人が知る「自分」
「日常」と言う濾過器を使うと
見えてくるのは 自分が知る「自分」
「不可知」なる濾過器を使えば
そこにいるのは 本当の「自分」
抽出されていくものには 「人生」という味がある
それは君が知り味わうものだ
僕が知りうるのは 君の「香り」
それと
濾光器を使って君のスペクトルを 君の姿を
濾波器を使って君とシンパシーを 君の感情の波を
捉えること
いずれすべてのフィルターを捨てて
全一なる世界で再び
巡りあうその日までは
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