白い顔/こしごえ
 
そのひとは
ひっそりと
木漏れ日の中にいた

何かおこりそうな空だこと。
そういえば、このあいだの鳥は、
どうしたかしら。
陽にひらめいて、
虹を食べて、
七色になって、
空へと消えていった。
あんなに広い空だもの…、
どこかで、
迷子になっていなければいいけれど。

木漏れ日は
木漏れ日のまま

うふふ。
あの鳥、
青色だけ消化できずにいたのだわ。
あの日。

しゃらん
しゃらん
しゃらん

風が 薫った



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