ボロぞうきんスピリット/炭本 樹宏
 
 高校で世間のぞうきんになるようにと説教された
 記憶とは曖昧でもあるが無意識にもその言葉が胸に残り
 知らず知らず、行動基準になっていた
 争いを避け、妥協をし、自分を押し殺して生きてきた気がする
 自分より他人をいたわり、愚痴を言わず、罵声を浴びても健気に

 その教えが良かったのか、悪かったのかよく分からない
 しかし、自分は確かにボロぞうきんのようになってしまっている
 いわゆるパンチドランカー的になっている、現在の自分
 おかげさまで精神病にまでなってしまった
 くるしい、さびしい、なさけない
 ぞうきんは誰からも尊敬されないじゃないか
 ぞうきんは誰からもなめられるじゃないか

 一部では確かに理解してくれて僕に信頼を寄せてくれる者もいる
 だけど
 報われるのだろうか、この苦しみは
 校長先生よ
 あなたの言うとおりにしてたら
 こんな自分になったじゃないか
 責任とってくれるの?

 いまさら校長のせいにしても始まらないけど。




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