夕焼けが足りない 12/AB(なかほど)
 
になって消えていった
  

  もう公園の方からやってくる
  僕はいない と
  談笑しながら
  三十半ばの夫婦が歩いてきた

  あれは父と母
  かと 見ているうちに
  何も言わずに微笑みをたたえる
  六十過ぎの夫婦になって通り過ぎた  

  水の流れと葉ずれの音が
  山から降りてきて橋を通り過ぎた   


タン タン タン タン と
あれは誰 と公園の方を見ると
六つになる息子が走ってきて
僕の手を引っ張った

トン トン トン トン と
遅れて公園の方からやってくる
三つ過ぎの弟は
夕陽に眩しそうな笑い顔


そうか もう家に帰ろうか



    
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