転校/はな
{引用=さぼりぐせのある小学生でした
うそつきでした
さんかくじょうぎが さみしくて
青の奥
散らかってゆく雲
君がつくえに立ってふざける
ちいさな教室
きいろいかみさまが
たまに降る
校庭のすみから
すこしずつ濃くなってゆく夏
あたしの黒いらんどせる
君のおさない息づかいは
ぬらして、ゆく
かえりみちは
君の影をふみながら
ざわざわして あたたかい煙の立つ
君の家へ帰る
ざらざらとした
柔らかい
だれかの声を いつまでもきく
教室よりも
少しおとなしい君を
白い肌を
つぶやくたび こわしたくて
つないだ手
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