獄中の新生/阿麻
聖書という名の
己の真実を映し出す鏡と向かい合い、
祈りという名の
彫刻等で己の魂の形をととのえつつ
終わりのない日々をおくり
やがて精神に異常をきたし、自分の名前も知らず、
自分がやったこともやらなかったことも知らない人格が
「創造される」
日本中の誰もかもが
彼にそっぽを向く状況下で
或るつめたい闇夜、彼はひそやかに狂っていった
本から目を離し
ふり返ったら そこに「私」がいて
握られて、握りつぶされてしまうほど
つよく はげしく この身が、心が、
捕えられた「実感」が、
まだない
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