息/まどろむ海月
 
 
光のように
雨のように
ため息のように
降りしきるもののなかを

蔓のように絡みあい
いとおしみながら
天に昇ろうとする
心と にくたい


西風に流され
燦めくせせらぎに流され

鳥たちの翼を持ち
たぎる奔馬のように

ひとつに繋がったまま
世界の果てにたどりつこうとする
心と にくたい


激しい息づかいに
生々しい匂いを溶け込ませ

目をみはり
手を伸ばして
ただ一つの世界を
掴もうとする
心と にくたい


寝食を忘れた一日が過ぎ
無重力な黄昏の
燃え尽きようとする空に
やさしく浮かびあがろうとする

 わたしたちの
 こころと
 にくたい




            
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