雨列行進/かぜきり
濡れて笑い 傘が泣いて
雨は雨であることを けして・・・
し・・・ん、と みみもとでささやかれて
体温に和されて伝う雫の
くすぐったさを
気持ち悪いとおもう事の
やぼったさを
散り時螺鈿に絡めて身に纏い
降りゆくのは雨ではないのだと
し・・・ん、と 耳元で囁かれて
雨は雨であることを
けして
やめは・・・
傘が泣いて 濡れるを笑い
触れる粒の意識の
おののき
に
震える身体を許すこともなく
ぬるり、と
冷たかったはずであれ
暖かかったはずであれ
あめはあめであることを
けしてやめはしない
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