四段ソネット 『流浪』/遊羽
 
らぬ街めざし  遠いあの雲を追って

流浪と流離いの間の 果てなき距離を越え 明日が知れずとも  振り返ることなく
道程の遠さと辛さに 行く先を案じながら 確実に踏む路の上  真っ直ぐ進んでいく
ただ迷いながら   今日も流浪の空の下 目に見えぬ物を信じ 旅人の路は続く

それでも路は続く  それでも旅は続く  やがて憧れた空は  一条の路とゝもに
見果てぬ明日を越え 流離いの果てに見た 一本の路を標して  旅人は足跡を残す
遥か彼方の次の旅へ 新しい明日を越えて 旅人を再びいざなう 遠い場所を目指して


#「四段ソネット」はソネットを四つ並べ、縦にも横にも読めるようにしたものです。



戻る   Point(3)