四段ソネット 『流浪』/遊羽
流浪と流離いの間に 続き行く路の果て 呼び覚ました記憶 遠い目で辿れば
果てしなく届く想い 何処へと誘うのか 憧れの空高く 遥か彼方の旅路
すれ違い行く人々は 流れ着く場所を求め 今日もまた流離う 見えない路を求め
明日は何処と知れず 今日もまた踏み出す たゞ遠いと知りつゝ 手も届かぬ夢へと
我もまた同じ旅人 曲がりくねった路は 想像もつかぬ距離に 行き先も知れず
慣れ始めた街を後に 夢の在処を追い求め 途方もない道程を 再び歩き始めた
風に背中を押され 消えた足跡を辿り 歩き始めた旅人は 遠いあの空の下へ
何処へと知れぬ路を 一人の旅人が行く 見知らぬ
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