活きる/ノクターン
さらさらと
足場は流れている
友達は楽しそうに
波を掛け合い
笑ったり
こづき合ったり
僕は
濡れるの
好きじゃない
こづくのも
好きじゃない
笑うのは・・いいけど
嘲笑は嫌いだ
さらさらと
流れる足場に
つつぃとついていけばいいのかな
引かれていたはずの手には
何もなくて
押し流されていく
大人へと
僕は
二の足を踏んで
踏ん張る程力強くもなく
流れに乗れるほど
バランスも良くはない
流れに逆らう程の
抵抗の理由も見いだせないまま
斜め前の岩肌に寄りかかる
僕は
太陽が東から昇って
月がまた東から昇るまで
ただ ただ
時間をやり過ごす
真っ暗な中で
母さんが呼ぶ
「帰ろう。」
・・・帰る
母さん、
僕には
いき場所が
わからないんだ
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