やり切れない、はち切れる/あまくちペルノ
独りで夜道を歩いていたらなんだかやり切れなかった。
空気が私の何かを切りつけるように横にまとわりついて離れない。
去年の今頃に出会った君は、私に許しをおしえた人だった。
それなのに私は君を許せないまま、またこの季節になって
一緒にいつまでも笑い転げてた夜道の街頭下のことを、
今また何度も何度も思い出しては、反芻しては
味わって、それは噛み味がなくなったガム。
噛んでいるという事実だけがリアル。
初めあったであろう味を想像することはアンリアル。
目が覚めた後、見ていた夢をもう一度見たいと
何度も布団に入り目を閉じて、途切れた場所を想像して、
興奮で眠れなくなるこ
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