陽は暮れて みかん/ ひより
 
陽は 時折り射して 窓辺には秋の花を置いて

見ています

それは 低く通り過ぎてゆくので
花は おじぎをしては 見上げるのですけれども
丁寧に また おじぎをします

暮れてゆきます

みかん色の 届きかけた花片は 小さく
明日の来る陽を お待ちしております と


*


ひさかたのお休みは 一日中窓辺にて過ごし
夕陽の落ちるまでを見送る

花と共に居られることが なによりもの幸せ と
そのように思うのは きっと
思いのほか 病いの心なのかもしれません

花よ 一日中みかん色を 咲かせて

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