冷たい足/りぃ
 
切りつけられた痛みは何処へも行けない
刻まれたままで足が無いもの
誰も消そうとはしなかった
その努力すら切り捨てられた
何者もその跡を追跡しなかった
僕はそうして大人になった

理不尽で尊い世界
古い跡の上に上書き保存したら
思い出せなくなると思った
もっと上手く渡れるよう
もっと上手く生きれるよう
綱渡りのように危ない道はもう要らない
決めるのは自分だと放り投げられた何もかもが

まだこの裸足の足元で
緩く転がっている

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