立冬に ひかり/はな 
 

さくらえびの交尾を見ていた
ながれぼしのように
ひかっては すきとおってゆくすがた
桜雨のふるころ
線路わきの
石塀をわたっていたあなたの
風のような背を
おもいだす



あの日
つまらないことは大声で

僕たちは
やくそくしたから
そっとはなした手はおが屑のように
とてもちいさく かるかった気がする
僕はいく度
あなたに
さよならを言っていただろう



手を振るような かざぐるまのおと
ちいさな荷物をほんのひとつ
片手に



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