「手のひらで風呑む人」/
shu
なぞ付けるものではない
すべてはおれが記録している
誰のための空か
さあ
雲の合間から射す光に肌を晒し
風に触れ匂いを嗅ぎ耳を澄ませ
ほら
おまえのなかに
雪が舞い
雨が降り
緑が茂り
川となり
海に注ぐ
季節が巡るように
自然の営みのように
すべてはおまえの空に
織り込まれていく景色なのだ
おれはおまえの
宇宙を羽織り
風を知り
風を呑む者
おまえの手のひらの上に
いつも いる
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