白秋ー2005/
がんさん
から 光洩れても 秋の雨
ひりひりと 秋は無頼の 身を洗う
魂魄の 音なき空を 舞う蜻蛉
秋ふかし 手桶に温き 水がみつ
金木犀の 降るる匂ひや ぬえの闇
もみじして 山深まりぬ 相の皺
八ヶ岳 にょきっと生えて 秋日和
雄山の 初冠雪は 遥かなり
トン、トカ、トン 刀工うつや 軒の露
もみじ葉の 舞い、舞いてなお 道遠し
赤ありて 黄ありてもみじ 哀しかり
新聞に 異郷を見たり 菊の宿
十六夜を 連れて一緒に 疾駆せり
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